日本のアイドルグループ文化ー人気アイドルグループAKB48を例にして;日本的偶像团体文化---以日本人气偶像团体AKB48为例文献综述
2020-04-13 13:16:48
1﹑稲増龍夫(1993)『増補 アイドル工学』筑摩書房
最初にこれまでのアイドル論の中でアイドル文化研究がどのように展開されていったのかを見てみる。アイドル研究としては稲増龍夫(1993)による『増補 アイドル工学』が有名である。稲増龍夫はこの中で、アイドルとメディア、プロダクション、ファンの関係性が時代状況の変化とともに変容してきたことを指摘した。
稲増龍夫は80 年代までのアイドル論を展開してきたが、太田省一(2011)による『アイドル進化論』は2000 年代まで網羅し分析している。稲増龍夫がアイドルを現象という大きな枠組みで捉えているのに対し、太田省一は個々のアイドルに対し細かく分析している。90 年代以降はアイドルの多様化が進んだが、その多様化されたそれぞれのアイドル群に対しても分析を行っている。
2﹑岡本健(2009)「アニメ聖地巡礼の誕生と展開」『CATS 叢書』北海道大学観光学高等研究センター文化資源マネジメント研究チーム
アニメ聖地巡礼とは「アニメ作品のロケ地、またはその作品#12539;作者に関連する土地で、且つファンによってその価値が認められている場所を訪ねること」(山村#12539;岡本#12539;松本2008)である。これに対しアイドルグループ聖地巡礼は、出演番組やMV のロケ地、アイドルの出身地などのアイドルゆかりの地を巡ることである。 AKB48 にとって、AKB48 劇場は「聖地」である。ファンがこの場へ訪れる行為は、宗教における巡礼行為と同じ過程を踏むことからも、ファンの精神状態からも、「巡礼」と位置づけることができる。
3.太田省一(2011)『アイドル進化論 南沙織から初音ミク、AKB48 まで』筑摩書房
太田省一(2011)はそれまでのテレビというメディアの枠内から離れられないアイドルとテレビという場を本質的に必要としていないAKB48 のファンの在り方が違うことを指摘し、「AKB に対してあれこれアドヴァイスをすることは、スタッフからも歓迎されている(中略)そのようにしてファンがAKB にコミットすることは、アイドルがアイドルであり続けるその〈過程〉を、ともに経験することを意味する。こうしてファンは、アイドルが成長し、人気者になっていくというストーリーの中で、ただ応援するだけというよりは、アイドル本人の希望や不安まで共有するような、パートナー的な存在になったのである」と分析している。
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