急速に高齢化社会に入っている中国は、一人っ子政策によって、高齢者の世話をする労働人手が不足しているため、老人介護業界でのロボット応用が期待されている。中国も徐々にこの分野の研究開発を展開しているが、技術のボトルネック、価格のジレンマ、倫理問題、安全への懸念など様々な問題が存在している。これらの問題を改善するために、高齢者大国日本の経験を参照し、日本と協力することが重要である。

日本では、ロボットは様々な煩雑なことを人間に代わってするだけでなく、社会福祉、老人介護、老人医療など様々な場面で活用されている。とくに老人看護現場で多くみられる認知症、手足の不自由などの問題に対応するため、ペットロボット、歩行アシストロボットなどが開発#12539;応用されている。

老人看護問題は日中双方の共通問題であり、現在、日中の科学者は養老ロボットの研究開発と産業化に関する協力を拡大ししている。

老人看護業界におけるロボットの実用化現状について、いくつかの先行研究が見られる。中では、清水遵らは「ペットロボット介在活動が認知症高齢者の心身に及ぼす影響」で質問紙法、面接法、行動観察法、生体反応測定法など様々な方法を利用して、マニアルセラピーの老人心身への効果を査定した。ペットロボットが認知症高齢者に積極的な影響を及ぼすことが確認されていた。また、仲貴子、 島田裕之は「1627 地域在住高齢者に対する歩行アシストロボット使用によるウォーキングエクササイズ介入の影響」で、地域在住老人に対する５ヶ月間の歩行アシストロボットを使用する歩行運動介入を行い、対象者の身体機能を調査した。歩行アシストロボットを使用した後、高齢者の運動機能と心理機能の向上が確認された。さらに、須賀京子らは「痴呆高齢者へのロボット介在活動(robot-assistedactivity)の可能性」で、三つの症例を標本として、ペットロボットとの活動中の評価の1回目と20回目を比較して、「孤独感」「発語」「感情語」「満足度」を指標として調査を行った。

一方、国内で李贵卿らは「智能机器人从事中国老年照顾服务的迫切性研究」で、人口の高齢化傾向を分析することによって、人間資本の視点から高齢化の本質を分析し、老人介護業界におけるロボットの応用現状と問題点を明らかにした。「智能科技应对老龄化社会——中日科学家高层对话」では、両国の老人介護業界におけるロボットの実用化のための提案が提示された。

以上のように、今までの研究はそれぞれ日本または中国の角度から老人介護分野におけるロボット応用の現状を分析したが、日中協力について検討されていない。本論文は中国の老人介護業界での問題点を踏まえ、日本の老人介護業界でのロボットの実用化現状を分析し、今後の日中協力の可能性と協力方法について探求したい。

2. 研究的基本内容与方案

基本内容：

本論文は、日本における老人介護業界におけるロボットの実用化現状を分析しながら、日中協力の可能性を模索したい。